アイムホーム
年末に帰省して
おせちの盛り込みを手伝ったところ
母が
「私はいつも適当だけど、
あなたがやると全然ちがうね。
やっぱり美的センスが違うんだよね」
とさらっと言ってくれた。
父や弟も
「盛り込み綺麗だね」と言ってくれた。
力強い賞賛ではなくごくごく自然に。
それが静かにふかーく私の心に響いた。
自己実現というものを永らく目指す癖のある自分。
気づけば、
いつもいつも遠くにある何かを求めているのだけれど
つまるところ私は他者からの承認が欲しいだけなのだと思う。
そして誰からもらうどんな承認よりも
家族がわたしの美意識を認めてくれる、そのことが私をふかーい幸福感へと導いてくれると気づいた。
私が欲しかったのはただそれだけだったのね。
私は、ずっと小さい子供の頃の心のまま
体と頭だけは大人になって
自分が何を欲しがっているのかわからないままだったよ。
ごくごく身近な大切な人たちが
「そのままのあなたでいいのよ」
って言ってくれる。
それだけで良かったのに
そのままの自分じゃ何ももらえない気がして
たくさんたくさん寄り道したなあ。
おかえり、わたし!